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予備校生活を送っていた

A君は将来の進路に対する不安を、内心に潜在化させたまま予備校生活を送っていたので、その不安が自律神経を介してさまざまな身体症状を起こさせていると考えられた。もちろん、この理屈がすべての人に当てはまるわけではない。体質的なことや、朝のラッシュアワー、大教室での授業、初めて体験する人混み、親と一緒に住むことで気がゆるむなどの環境の変化も原因として考えられる。成績や出席面の問題はなく実力は安定しており、やっかいな症状と闘いながらも予備校に通う意欲はあった。しかし、情緒面が不安定では一浪目と同じ結果になってしまう。再び環境を変えることは、A君の場合、現実的ではなく、まず進路にまつわる不安についてよく話し合い、潜在的な不安を取り除くことが大切だと思われた。A君は一浪の時、T大とW大のほかに腕試しにとK大の医学部も受けたという。「あれ、四月の時点では、化学科としか書いてありませんが、医学部も考えていたのですか?」とのカウンセラーの問いかけに対し、「仲間がみんな受けるといっていたので、僕も冷やかし半分で……」とA君は答えた。