ちふれは昭和二二年に創業した東京実業(現ちふれ化粧品)が、地婦連と提携し発売した通信販売システムの化粧品である。すでに東京実業は六年前の三七年に社会党の江田三郎国会議員の「OLの給料でも無理なく買える低価格の化粧品」の提唱で一〇〇円化粧品ハイムを製造・販売していたのであり、物価高騰の四〇年代に『暮らしの手帖』、新聞・テレビなど各マスコミが挙って取り上げていた。一〇〇円化粧品ちふれは全国婦人会の組織をバックに着実な売上を確保していき、翌四四年には主婦連が同じく一〇〇円化粧品を発売、全国の二大消費者婦人団体がそれぞれ独自の化粧品、現在で言うプライベートーブランド(PB)を開発したのである。この頃、四四年には米国で日本からの輸入車に欠陥があると指摘されると、ジャーナリズムのバックアップもあり、欠陥商品の問題がクローズアップされた。四五年にはカラーテレビの二重価格問題に端を発した不買運動が展開され、消費者運動がさらにパワーアップする。こうした背景下にあって、一〇〇円化粧品の成功はそれぞれの団体の資金源の一端を担うとともに、消費者運動の一層の盛り上がりを促進することとなる。四六年には「再販制度が物価高騰の要因」として再販制度反対運動が巻き起こり、資生堂化粧品の不買運動へと繋がっていった。当時の消費者運動の模様を四六年一月三一日付けの朝日新聞はこう語っている。「七婦人団体は三〇日、東京・芝の農林年金会館で開いた『全国婦人のつどい』で、(1)値上がり防止策がない限り、米に対する物価統制の適用廃止には反対する。(2)野菜の値上がりを防ぐため、政府は大根、白菜、キャベツなど露地もの野菜の生産をふやすよう指導せよ。(3)消費者の利益に反する化粧品、洗剤などの再販売価格維持商品をボイコットする、などを申し合わせた」。
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