一〇〇%の機能を得るために一〇〇%の時間を使ってみる。これは従来の精読に相当するが、一字一句読むのに必要な時間をすべて使った場合のことだ。では、もし八〇%の理解でいいから、二〇%の時間で読むことができたらどうだろう。なんと、これだけで精読するよりも四倍も高い効率ということになる。この「八〇%の理解を二〇%の時間で」という設定にも意味がある。パレートの法則だ。一八九七年にイタリアの経済学者パレートが、所得分布について研究した結果、導き出されたものだ。つまり、わずか二割の人たちがその国の富の八割を所有している。「二八の法則」などと一般にも使われているもので、これはさまざまな分野で応用されている。この法則を適用すれば、本を読むにあたっても、本全体の重要部分である二割を読めば、その本の情報の八割が得られることになる。だったら、わたしたちは大いに時間を節約して、二〇%だけ読むことで、その本の八〇%の機能を獲得してしまおうではないか。
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