「ダストボックスは悪いことばかりではない」と言う人もいる。ガラスが飛んでこないし、臭くない。自由な時間にいつでも捨てられる。それに、ごみ先進国といわれるドイツだって、マンションや自宅の前にあるボックスにごみを入れている、というわけだ。だが、この気楽さと便利さが、決められた分別を怠り、ごみを減らそうという意識を住民に失わせる。ダストボックスに入れると、外からは見えないので、不法投棄の温床になってしまうのだ。ごちゃまぜに出すから資源にならない。府中市では、ダストボックスのふたが盛り上がり、中からごみ袋がはみ出していることが多い。さらに、壊れたパソコン、CDプレーヤー、電球、鉄アレイなど、処理に困るものもたくさん混じっている。いつでも捨てられる気軽さがこの風景を呼んでいる。さらに、容器包装プラスチックを分別して市民に出してもらうときに、市がダストボックスを活用することにしたことで事態はさらに悪化した。オレンジ色のボックスはこれまで〈不燃ごみ〉だけだった。ところが、月の3週間は〈容器包装プラスチック〉を入れ、残りの1週間は〈不燃ごみ〉を入れることにした。市民は大混乱し、リサイクルに使うプラスチックと、ただのごみである不燃ごみがごっちゃに出されることになったのだ。容器包装プラスチックは、市が異物を取り除いた上で、事業者に引き渡している。しかし、その選別現場は、悲惨のひとことにつきる。